生涯独身を貫く人のキャリアプランを考える

男女で細かな違いがあるものの、生涯独身を貫く場合は家事を自分で行わなければならず、特に男性は結婚している人とは違うキャリアプランを考えなければならない。そもそも長時間残業などが是正されないことが問題の根源ではあるのだが、日本の企業や商慣習を考えると是正されるのにはまだまだ時間がかかると言えるだろう。
晩婚化に危機感を持ちやすいのは女性であるが、独身の男性にとっても不利な状況であり、既婚者よりも管理者としての信頼感が得られないことが少なくないのである。それは、結婚し家庭があって初めて一人前と考えられるケースが多いからである。
これは個人の仕事の出来不出来に関係が無い。50歳まで独身を貫く、いわゆる生涯未婚率は年々上昇しており、男性では23.4%、女性は14.1%の人が一度も結婚せずに終わるというデータが出ているのである。その割合が上がるにつれて、結婚していないことが不利になることは少なくなってくるだろうが、現役世代が在職しているうちは、その価値観が大きく変化することはないだろう。そこで、企業での出世を前提にした既存の価値観を変えるという考え方が生まれるのである。新卒で総合職として就職しその会社で貪欲に出世を目指す、というこれまでのキャリアプランがもはやあてはまらないのである。
例えば、専門性が非常に高い仕事が出来ることで、特定の会社の枠を越えて生かせるキャリアがあれば、良い意味で働き方は異なってくるだろう。例えば、看護師などの専門性の高い職種の派遣であれば、収入面でも一人で生活するのに十分なものになる。独身は既婚者と比べ支出が少ないという強みもあり、雇用形態についてあまりネガティブに捉える必要はないだろう。